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≪ ビーマニ生活 壱式 ≫
壱式_表紙 ★その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7 番外編
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≪ ビーマニ生活 弐式 ≫
弐式_表紙 ★第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話 第8話

第9話 第10話 第11話 第12話 第13話 第14話 第15話 最終話



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ラウンドワンへはすぐ着いた。
自転車を止めて音ゲーコーナーへ向かった。
山岡さんはもう叩いていた。八段をやっているようだった。

後ろに回りこんで山岡さんの叩き方を見ることにした。
画面は一曲目の雪月花のポコポン地帯だった。
山岡さんは固定ラーだ。

ポコポン皿が来ても慌てず、少し打鍵を犠牲にしても皿をきちんと取ろうとしているように見えた。
89%が残った。2曲目は1st Samurai。
ハイスピードを3.5から2.5に下げた。
僕は最後の高速地帯のことを考えてはじめから2.0にする。

速すぎないかと思ったが逆に前半部分がよく見え、ラストの高速地帯も早すぎることもない。
僕の見切り力が増したせいかもしれないが、なるほど、BPM170以上はとりあえずハイスピード2.0以下という価値観が変わった。
2曲目終了時78%。

3曲目の⇒Hはやはり最後の部分。両手の役割がきちんとしている。
右手に負担を置きがちな僕にとって憧れの運指だった。
3曲終わって96%に戻した。

ラストのギガデリ。
これが一番見たかった。
はじめのトリルで少しBADはまりを起こしたけどそれ以外は問題なく進む。
ラスト前の少しごちゃごちゃした部分もほぼ100%を保ったままラストの複合トリルへ。

画面じゃなくて指の使い方を見た。
意識は右トリルにあるように見える。
とにかく右トリルを小指と薬指を使ってリズムに気をつけて叩く。
皿は厳しいところは適当に、残りのメロディ部分はなんとか喰らいつく、という感じ。

さすがの山岡さんも58%までゲージを減らした。
しかし、こうやって出来る人のプレイを分析しながら見るのもビーマニの楽しさの一つだな、と思っていると、山岡さんが僕に気づいた。

「あ、来ていたのかい」
「後ろで見学させてもらっていました。やっぱ上手いですよね」
「久々にやってみたくなってねえ」

山岡さんと交代した。今日はあまり「見え」がよくない。
外が寒かったせいか、スコアが出ない日のような気がした。
☆8、☆9の未プレイ曲ハード埋めをやったけど判定はAかBだった。

「今日はいまいちですね、僕ちょっと休むんでやっててくださいよ」
「俺も久々に八段やったら疲れちゃったよ。ちょっと休もうか」
山岡さんに飲み物をおごってもらった。何がいい?と聞かれたのでブラックコーヒーをお願いした。
ビーマニの前の小さい机と椅子に二人で腰掛けた。

すると山岡さんの方から話しかけてきた。
「宗太くんはあそこのバイト長いの?」
「もう一年くらいになるかもしれないですね」
「そうか、一年かぁ。急に俺みたいなおじさんが入ってきたから変だと思ったんじゃない?」
「い、いえ、そんなこと」

「俺はさ、実は今のバイトする前は料理人だったんだ。そこのレストランで修行して、いつか自分の店を持って一旗あげてやろうと思っていたんだけど、そのレストランが終わっちゃってね」
「はぁ」
「それで新しい店を探しているんだけど、この年だと何かと面倒でね。すぐ見つかりそうもないからガストのバイトを始めたってわけなんだ」
「へぇ、そうだったんですか」

僕はすべて知っていたけど知らないフリをした。
ビーマニはデモプレイ画面になっていた。

「結構、難しいんだ、再就職。店の人からは、その歳からまた一からって言われてもね、とか言われてさ。何軒も回ってストレスが溜まって平日もイライラしちゃってね。せめて週末のときくらいと思って息抜きしてるんだ。そしたらバイト先でこうやってビーマニする人に会うなんてね。世の中面白いな、とか思ったよ」

嫌な気持ちになった。
山岡さんには子どもがいる。それも4歳の小さい子が。
それなのにその親父は平日はバイトで、就職活動のときにイライラして、そのまま家に帰って、しかも週末はこうやって夜中まで遊んでいる。
僕が子どもの立場ならたまらない。
一週間前に願った僕の想いが裏切られたような気分だった。
すると思わず気持ちが高まってしまい、こんな言葉を吐き捨てていた。

「平日からイライラしているくらいなら、せめて週末くらいは娘さんのために早く帰ってあげたらどうですか」
山岡さんは驚いた表情をした。
さっきまで適当な返事しかしてなかった人間が急にこんなことを言いだした上に、娘さんのことも出してきたからだろう。
僕は、しまった、と思って口を閉ざした。
遠くのボーリング場の音や他の音ゲーの音が混ざり合ってざわざわしているのに、この机の上だけは、それとまるで無関係のように静かだった。

山岡さんはニット帽を被りなおしてゆっくり立ち上がった。そして
「宗太くんの言うとおりだね。確かに俺は今こんなことをしている場合じゃないね。ごめん、今日はちょっと帰るよ」
と言って、じゃあ、と帰ってしまった。
なにかとんでもないことを言ってしまったんじゃないかと思った。
デモプレイの陽気なリズムと反対に僕の心は言いようもなく、ざわついていた。



翌日、日曜日、快晴。
いつもなら爆睡して午後からラウンドワンへ行くのが日課だけど、珍しく朝9時に目が覚めた。

昨日のことを思い出して、ゲーセンへ行く気分にはなれなかったから掃除と洗濯をすることにした。
窓を全部開けて空気を入れ替えた。
もやもやした気持ちも一緒に入れ替えて欲しかった。

洗濯が終わってベランダへ出た。
Tシャツを干しながら日差しを浴びていると、なぜ外へ出ないんだい?と聞かれているようだった。
全部干して、中に入ってテレビをつけたら、いいとも増刊号をやっていた。
タモさんを流しながらパソコンをつけた。

いつものビーマニサイトを見て回っていると、掲示板のそこかしこで「ターミナル」という言葉が飛び交っていた。
ビーマニのことなら大体知っているはずの僕が知らない言葉だった。
すぐGoogleで、ビートマニア、ターミナル、で検索をかけると、すぐ分かった。

こんなサイトが始まっていたなんて知らなかった。
早速、登録した。
スコア登録が面倒くさかったけど、増刊号が終わる頃には終わっていた。(つづく)
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プロフィール

bmlife

Author:bmlife
beatmania IIDX をこよなく愛する
1プレイヤーです。
ちなみに現在(RA)腕前は九段。
十段は遥か遠く…日々精進。
ここはbeatmania IIDXを題材にした自作の物語をUPしているサイトです。
自分の経験も入っていますが、基本的にはフィクションです。

-----------------------------
主な登場人物
  ~壱式~
・コウスケ(六段)
・ヨシタカ(七段)
・タカシ(八段)
・ナオキ(九段)
  ~弐式~
・宗太(八段)
・山岡さん(九段)
-----------------------------

壱式メンバーはみんな高校生ということで。
弐式からいろんな人が出てくる予定。。。
段位認定を巡るあれやこれやを書いていきます。

GOLDの頃の自分&友人達がモデルになっているので、時間軸がGOLD~TROOPERSになっています。
GOLDの頃の七段は
 1.rainbow rainbow
 2.Concertino in Blue
 3.smile
 4.THE SAFARI
で、八段は
 1.雪月花
 2.1st Samurai
 3.Scripted Connection⇒(H mix)
 4.gigadelic
でした。

参考図書,映画 etc:
beatmania IIDXシリーズ, KONAMI
DrumManiaシリーズ, KONAMI
pop'n musicシリーズ, KONAMI
Winning Elevenシリーズ, KONAMI
DRAGON BALL,(1)-(42) 鳥山明
DRAGON QUEST -ダイの大冒険,(1)-(37) 三条陸,稲田浩司
SLAMDUNK,(1)-(31) 井上雄彦
グラップラー刃牙,(1)-(42) 板垣恵介
ONE PIECE,(1)-+ 尾田栄一郎
天空の城ラピュタ, 宮崎駿
風の谷のナウシカ, 宮崎駿
フランダースの犬, ウィーダ
ドラゴンクエストシリーズ,ENIX
ポケットモンスター, 任天堂
ラストサムライ, トム・クルーズ他
笑点, 日テレ
水戸黄門, TBS

どうぞよろしくお願いします

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