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≪ ビーマニ生活 壱式 ≫
壱式_表紙 ★その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7 番外編
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≪ ビーマニ生活 弐式 ≫
弐式_表紙 ★第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話 第8話

第9話 第10話 第11話 第12話 第13話 第14話 第15話 最終話



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明日は休みなのでバイト帰りにラウンドワンへ足を運んだ。
普段はすかすかの音ゲーコーナーも今日は賑やかだ。

ワイワイと騒ぎながら茶髪がギタフリをし、隣では女の子が二人でポップンを叩いている。
どうせボーリングまでの場繋ぎだろう。

音ゲーコーナーの端にある IIDX を見てみると、そこにもプレイをしている人がいた。
遠目なので何を叩いているかわからなかったが、近づいてみて驚いた。
山岡さんだった。

山岡さんは1P側でプレイしている。
叩いている曲はSigSigアナザー。しかもハードをつけている。
僕はまだノマゲしか出来ていない曲だ。

中盤のいやな配置を難なくこなしているし、スコアも高い。
AA中盤くらいの成績でクリアした。
EXTRAだったらしくリザルト画面になった。

山岡さんは九段だった。鍵盤を叩きながらカード出口に手を添えている。
誰か並んでいることに気づいているのだろう。
スッと僕の横を通り過ぎようとしたので思い切って呼び止めてみた。

「あの、山岡さん」
一瞬ビックリした振る舞いを見せた。
ここで声をかけられるなんて思ってもいなかったのだろう。
僕だってここで山岡さんに会うなんて思ってなかった。

「あれ…?」
「はい、ガストでバイトしている宗太です。ほら、さっき財布渡した」
「ああ、覚えているよ。宗太くんっていうんだね」

「宗太でいいですよ。ビーマニするんですね。僕もやるんですけど、いつもここで?」
「ここは久しぶりなんだ。いつもはあっちのAsobit Cityに行くんだけどね」
「ああ、そうなんですか。あっちはちょっとスクラッチがカタくないですか?山岡さん九段なんですね。かなり上手ですね~」
「いやいや、九段になってから長いんだよ。もう1年になるかなぁ」

1年というと僕が七段なりたてで、ようやくハードをつけだした頃だ。
山岡さんはもうそのときから九段なのか。

「宗太くんは?」
「僕は八段です。4ヵ月くらい前になって今は☆10辺りをやってます」
「あー楽しい時期だねぇ」
そういう山岡さんは楽しくないのだろうか、と思った。

「次いきますけど良かったらもうちょっとやりません?初めてなんですよ、僕の周りでビーマニやる人見つけたの。なんか嬉しくなっちゃって」
「ん…ああ、じゃあもう少しだけ」
僕と山岡さんはそれから交互にプレイした。

合間合間に、さっきの中盤のBADはまりがおしかった、とかトリルをどう押すか、とか話した。
こんな話今の知り合いとしたことなんてなかった。
周りはカラオケ、居酒屋、麻雀、スロット…そんな遊びがほとんどだったから。

そりゃあ付き合いもあるから一通り知ってはいるけど、ビーマニは僕が一番自然に楽しめる遊びだった。
ただ、それは一方で孤独な遊びだった。
でも、それが今こうやってビーマニの会話を直にできている。
何て楽しいんだろう。

話した感じ山岡さんは始めの印象よりずっと気さくな人だった。
DJ NameはAYA。

ピンとこなかったからSampling master AYAのあのAYAですか?とか聞いてみたけど、いやちょっと違うんだ、と答えを濁された。
まあ名前なんて自由だしと思ってそれ以上は聞かなかった。

しばらくプレイしたところで僕の携帯が鳴った。
アサキさんからだった。
山岡さんにすみません、と言って電話に出た。

「おう、宗太。今さ、駅前の居酒屋なんだけど来ないか?」
「えっ?んー、そうだなぁ」

実は行きたくなかった。この時間をビーマニで楽しく過ごしたかった。
「何だよ、来いよ~。お前この間も来なかったじゃんよ」
そういえば前回も何だかんだ理由をつけて断ったっけ。

仕方ない。じゃあ20分くらいしたら、と返事して電話を切った。山岡さんが
「なんか予定が入ったみたいだね」

と言った。僕は申し訳なさそうにしながら
「すみません。先輩からだったんです。ほら同じ厨房のアサキさん。飲んでるから来いって」
「あぁ、アサキくんか。俺ならいいよ。丁度いいから俺も帰るよ」

「なんかすみません。でもすごい楽しかったです。また今度、よかったら来週とかまた行きましょうよ」
「そうだね。俺もまさか急に入ったバイト先でビーマニする人に会うなんて思わなかったよ。それじゃあまた行こうか」
「はい、ありがとうございます」

何故かお礼を言ってしまった。それがおかしかったらしく
「お礼されることでもないけどね」
と言われた。確かにその通りだと思った。
山岡さんと駐車場で別れた。僕は自転車にのって駅前の居酒屋へ向かった。

駅前の居酒屋について店に入ると入り口から見て一番奥のテーブルにアサキさんとバイト仲間の女の子が2人いた。
僕を入れて4人だ。みんな結構できあがっている。
僕はアサキさんに向かいあう形で席につき、生ビールを頼んだ。アサキさんが話しかけてきた。

「そうそう、宗太。今日山岡さんの話ちょっとしたじゃん?」
「あ、はい。そうでしたね」
さっき山岡さんとゲーセンで会ったことは言わなかった。

すると僕の隣の女の子が
「今日ね、私があがる時間に山岡さん来たんだ。なんか早く着いたみたいでさ。そのとき少し話したんだけどね。山岡さん前はコックさんだったらしいよ。それでその店がつぶれちゃって仕事なくなったんだって」
「え、そうなの?」
「うん。そうみたい。今は新しい職場探してるんだけど、4歳になる娘もいて親として家でダラダラしてるわけにもいかないからってバイトで厨房に。奥さんとも一年前に別れて現在シングルファーザーらしいよ~」

「え?そんなはずないって!だって…」
しまった、思わず口走ってしまった。アサキさんがそれを聞き逃す筈はなかった。
「何?宗太何かあったの?」
「いや、あの」
「何だよ。逆に言わない方が怪しいって」

もう駄目だ。言うしかない。
「いや、あの、さっきラウンドワンで山岡さんに偶然会って一緒にビーマニしてたんですよ」
「えええぇ~」
アサキさんの隣の女の子が驚きの声をあげた。

そらそうだ。普通ありえない。
シングルファーザーがこの時間までゲーセンで遊んでるなんて。
その子が続ける。
「それじゃあ娘さんはどうなんのよ。まさかこんな夜遅くまで自分を置いてお父さんがゲームなんかしてるなんて聞いたら私なら超ショックなんだけど」

「いや、それ僕に言われたって…」
娘さんはさっきの話によれば4歳。今の時間は…11時半。
たしかに“普通の”親なら早く帰ってせめて眠るときだけでも一緒にいてあげるべきだろう。

アサキさんが枝豆を食べながら喋りはじめた。
「あ~、まずい親父だなぁ。夜中でもゲーセンに子ども連れで来るバカ親いんじゃん?あれだよあれ」
女の子たちも、うんうん、とか頷いている。

でも、僕は違うと思った。
根拠はなかった。
ただそう思いたかっただけなのかもしれない。(つづく)
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プロフィール

bmlife

Author:bmlife
beatmania IIDX をこよなく愛する
1プレイヤーです。
ちなみに現在(RA)腕前は九段。
十段は遥か遠く…日々精進。
ここはbeatmania IIDXを題材にした自作の物語をUPしているサイトです。
自分の経験も入っていますが、基本的にはフィクションです。

-----------------------------
主な登場人物
  ~壱式~
・コウスケ(六段)
・ヨシタカ(七段)
・タカシ(八段)
・ナオキ(九段)
  ~弐式~
・宗太(八段)
・山岡さん(九段)
-----------------------------

壱式メンバーはみんな高校生ということで。
弐式からいろんな人が出てくる予定。。。
段位認定を巡るあれやこれやを書いていきます。

GOLDの頃の自分&友人達がモデルになっているので、時間軸がGOLD~TROOPERSになっています。
GOLDの頃の七段は
 1.rainbow rainbow
 2.Concertino in Blue
 3.smile
 4.THE SAFARI
で、八段は
 1.雪月花
 2.1st Samurai
 3.Scripted Connection⇒(H mix)
 4.gigadelic
でした。

参考図書,映画 etc:
beatmania IIDXシリーズ, KONAMI
DrumManiaシリーズ, KONAMI
pop'n musicシリーズ, KONAMI
Winning Elevenシリーズ, KONAMI
DRAGON BALL,(1)-(42) 鳥山明
DRAGON QUEST -ダイの大冒険,(1)-(37) 三条陸,稲田浩司
SLAMDUNK,(1)-(31) 井上雄彦
グラップラー刃牙,(1)-(42) 板垣恵介
ONE PIECE,(1)-+ 尾田栄一郎
天空の城ラピュタ, 宮崎駿
風の谷のナウシカ, 宮崎駿
フランダースの犬, ウィーダ
ドラゴンクエストシリーズ,ENIX
ポケットモンスター, 任天堂
ラストサムライ, トム・クルーズ他
笑点, 日テレ
水戸黄門, TBS

どうぞよろしくお願いします

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