- 目次 -
≪ ビーマニ生活 壱式 ≫
壱式_表紙 ★その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7 番外編
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≪ ビーマニ生活 弐式 ≫
弐式_表紙 ★第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話 第8話

第9話 第10話 第11話 第12話 第13話 第14話 第15話 最終話



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    四   埼玉・ko-sk

午後4時。
ヨシタカとビーマニをがっちり2時間叩いた。

俺たち以外のプレイヤーは土曜だというのに誰も来なかった。
おかげで二人がフル回転だった。お互い疲れたところで、いつものマクドナルドで反省会だ。

「ラスのドンビー穴は無謀だったな」
「でもお前のブッコロ穴よりかは現実的だったと思うけどな」
「オレには、まさか、があるんだ。お前にはまだわからんことだ」
ヨシタカは時期もののグラコロを食べている。俺は百円マックポークだ。

「しかし今日も駄目だったな、八段」
最近の反省会はいつも八段についてだった。
案の定、俺たちは今日も八段取得に失敗していた。

「ラストまで90%残して落ちるんじゃあなぁ」
確かに。ヨシタカはラストのとこまで90%を残していたが、それから激減して落ちてしまった。
俺は一瞬いけるんじゃないかと思ったが、ギガデリの恐ろしさを再度垣間見る羽目になった。

「あのな、今日お前がやっているときラストをすげえ見たんだけどさ。あそこは目茶苦茶ってわけじゃなくてさ。6、7トリルが一定で残りはメロディを弾いてんだよ、あと皿がちょいちょい」
「まじ?オレ踏み台?」
「情報の共有。だからな、トリルしながらメロディ弾いて、さらに皿をとる方法さえ探せばいけるんじゃないかって思ってたんだよな」

「う~ん、トリルをしながらメロディを弾き、さらに皿を取る方法かぁ」
「相当無茶言っているけどな。指足んねえっつうの」
「誰か雇うか?」
「ダメ、それ反則だわ」
結局、今日も解決することはなかった。
でも俺は自身の発見に一縷の望みを見たような気がした。


  五   福岡・Sota

午後9時。
店内モニターで夜のニュースが始まった。

ガストは僕を含むバイト達が忙しそうに動きまわっている。
社員から、あがっていいぞと言われたので、賄いメニューとしてカツカレーを厨房にオーダーした。
控え室に戻ると、あの小難しい顔をした人がコック服のまま食事していた。

お疲れ様です、と言って着替えはじめた。
その人はロッカーの小鏡越し見たところ、中年の小柄なおじさんであることが分かった。
おじさんは黙々と賄いの目玉焼きハンバーグを食べていた。

制服の上下を脱いでTシャツとジーパンをはいたところで、厨房からカツカレー出来たぞ~、という声が聞こえてきたので、その格好のまま取りに行った。
厨房から先輩バイトのアサキさんが顔を覗かせて言った。

「宗太、今日もカツカレーかよ」
「ここのやつ好きなんですよね」
というのはウソで、ただ特に意識しなければいつもカツカレーをオーダーしていただけだった。

ちょっと気になったのでアサキさんにおじさんの事を聞いてみた。
「あの小さいおじさん新しい人ですか?」
「ん、そうみたいだな。俺もさっき会ったばっかだから挨拶くらいしかしてないけど、たしか山岡さんとか言ってたっけ」
「バイトにしてはちょっと年いってますよね」
「まあな」

「おい!宗太、アサキ!仕事しろよ!!」
社員が僕たちを注意した。あぁ、すんませんすんません、と言ってアサキさんは仕事に戻った。
僕もカツカレーを手に従業員室へ戻った。

部屋ではちっさいおじさんこと、山岡さんが食事を終えて着替えていた。
テーブルの上にカツカレーを置きパイプ椅子を用意した。
壁のシフト表が目に付いた。

山岡さんは平日は午前から夕方まで、土曜は午後1時から午後9時までと日曜を除きバッチリ入っていた。
歳とか考えると、これで生計をたてているとしか思えない。
ファミレスなんて自給低いのに。工事現場とかで働いた方が稼げそうなもんだ。

シフト表を見ながらカレーを食べていると、山岡さんが、お先です、と言って部屋を出た。
するとジーパンの後ろポケットから皮の財布がポロリと落ちた。
山岡さんは気づいていない。

「あの!財布落ちましたよ!!」

僕の声に気づいた山岡さんはこちらに戻ってきて、半開きの財布を受け取った。

「どうも」
「いえ」

山岡さんは軽く礼をして裏口から出て行った。
これが僕と山岡さんの初めての会話だった。

席に戻って残ったカツとスプーンで半分に切った。
僕はさっき拾い上げた財布にちらっと見えた赤いカードが気になっていた。

どっかで見たカードで思っていたが、そうだ、e-Amusement passだ。
でも、まさかあのおじさんが?
僕の周りでさえあれを持っている奴がいないのに。

偶然見つけたそのカードの持ち主に僕は妙な親近感を覚えていた。
次に一緒になるのは、ちょうど一週間後だった。

なんだか会えるのが待ち遠しくなってきた。
おじさん相手にこういうのも変な感じだけど。(つづく)
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       二 埼玉

  1、ko-sk

土曜の3rd planet(俺らのホーム)は人が多い。
メダルゲームの楽しさがさっぱり理解できないが、メダルコーナーは人で溢れ返っている。
彼らに言わせればビーマニをする人間の気が知れないのだろう。
それにしてもビーマニコーナーの閑散さときたらひどい。
まぁ、叩き放題な分、俺にとっちゃいいけれど。

ヨシタカと2時にサープラ(俺たちは3rd planetをこう呼ぶ)で待ち合わせだった。
少し早く着いたみたいだ。
俺は近くの両替機でくずした五百円を、そのままジーパンの右ポケットに突っ込んで筐体に立った。


  2、Ytaka

あーサープラ遠い。
歩きの距離じゃねえなぁ。

オレはサープラを目指しGOLDの携帯サイトを見ながら歩いていた。
ライバルの様子を一通りチェックしてからオリジナルコースランキングを見たら、Sotaがオレのスコアを抜いて1位になっていた。
コウスケとタカシのコースにもSotaが入り込んでいる。

Sotaはタカシから紹介されて最近ライバル登録した。
段位は向こうが上だけどスコアで劣っちゃいない。
オレはもうギガデリさえ、いや最後の複合トリルさえいければ八段なんだ。

しかし、いける気が一向にしない。
思い出すだけでイラッとした。
目の前の歩行者信号が赤に変わった。

こういうときに限ってこうなるんだよなあ。
オレは信号待ちの人たちを旋風脚で蹴散らしたくなったが、角のスターバックスから漂ってきたコーヒーの香りがオレを引き留めてくれた。
あと交差点2つ超えたらサープラだ。オレは登録する気もないライバルを検索しながら信号が変わるのを待った。


       三 福岡・Sota

バイト先のファミレス「ガスト」に着いたのは午後3時直前。
これから午後9時までウェイターとなる。
この時間帯は6時くらいまでは暇なのだが、それからラストまでは土曜の夜ということもあって信じられないくらい忙しい。

僕は暇よりも忙しい方が好きだから、どっちかというと午後6時までの方がうっとうしい。
店の裏の従業員室へ入って制服に着替えていると社員がやってきた。
「おーう、ギリギリだな。早くしろよ~」
わかりました、とだけ返事をしてオーダー用の機械を手にフロアへ向かった。

ちらと厨房を見てみると小難しい顔をした人が鉄板でハンバーグを焼いていた。
初めて見る人だな…と思ったが別段気になることではなかった。(つづく)
     ビーマニ生活・
      -第1話-

表紙_名前ぼかし

(注:ビーマニ生活・壱式の登場人物も出てきますので、そちらも読まれると登場人物がわかりやすいと思います。目次にリンクが貼ってあるので(PDF版もあります)、よかったらどうぞ~m(_ _)m)

    一 福岡・Sota

ビートマニアをやり始めてもうどれくらい経つだろう。

高校生の頃に始めてからもう四年…か?
今年成人を迎え、DJネームをF.S.から本名のSotaに変えた。
段位は八段。
腕前は八段以上、九段未満のど真ん中。
最近は☆9、10を中心に、ラストは☆11に挑戦してる。

残念なことに、周りにはビーマニを趣味にしている人がいない。
だから直接語れる人はいないけど、ライバルが3人いる。
正確に言えばお互いにライバル登録している人。
3人のうち1人はエキスパート検索から、あと2人は向こうから登録されていた。

1人は Takash。読み方…はタカッシュ?
彼も同じく八段。対戦成績は242勝208敗。
ライバルとしてはこの上なく、ちょうどいい。

あと2人は ko-sk と Ytaka。
1人はコウスケ…だと思う。
もう片方はワイタカ?彼らは七段。

ワイタカのコメントに「ギガデリックしんでくりっく」と書いてあったから吹いた。
そういえば七段の頃、ギガデリ終盤にさしかかるたび今度こそはと意気込んで、結局ラストで落ちる体験を何度したことだろう。
このコメントを見るたび4ヶ月前の自分を思い出す。

どうやら3人とも埼玉県のプレイヤーらしい。
まさか知り合い同士ってことはないだろうけど、こうも埼玉ばかりだと何か埼玉に縁でもあるんだろうかと思ってしまう。
九州人の1人として言わせてもらうと埼玉県は東京周辺というイメージとも言い難いイメージしかなくて、何となく都会なことしか分からない。
ただ、僕は九州の地で、かたや彼等は関東の地で同じゲームをしているんだな、と思うたびビーマニは偉大だと感じる。

今日は土曜日で学校が半日だから午後イチからいきつけのゲーセン、ラウンドワンに行った。
音ゲーコーナーには誰もいない。
最近こういうことが多い。

どうやらTROOPERSを目前にしてGOLDに精を出す人は少ないらしい[注:時間軸はGOLD~TROOPERSです。自分が八段の頃の話がベースとなっているためです。ご了承ください]
百円を投入してモード選択。
いつもスタンダードかエキスパートかで迷うのだが、今日はエキスパートデイと決めていた。
かねてからやりたいと思っていたライバルのオリジナルコースをするためだ。

始めはko-sk。彼(彼女?)のコース名は「heavy and go」。
順に「WAR GAME」「stoic」「tripping contact」「Dirty of Loudness」の4曲。
名前通りかなりheavyな感じの選曲だった。
個人的にはトリッピンはトリリミの方がよかったけど、こんな感じの選曲センスは好きだな。

次にYtakaのコース「3rd planet」。
えらくものものしいタイトルだが何てこたぁない。
全部TERRAだった。

僕はどっちかというとエレキテルやSota Fujimoriの曲が好きだけど、たまにボーカル曲をやると楽しい。
ラストのEDENでAAAが取れた。
前にやってから随分やってなかったらしくスコアが+186。
成長を感じた。

最後はタカッシュ。
タイトルは「BE 4 YOU」。
これはやる前から曲が分かる。

プレイ中、そういえばBe For Uは年内に解散するんだったな、とか考えながらやっていると、真剣に叩いている自分がいた。おかげで(?)評価もトータルAAだった。
バイトの時間まで微妙だったけど、自分のコースもやった。

バイトの時間が迫っていた。
e-Amusementカードと残りの百円硬貨をポケットに突っ込んでバイト先へ向かった。(つづく)
ビーマニ生活・壱式終了しました。
六段の自分が、七段のサファリまでいけるのに、どうしてもサファリが越せない!というなんとも言い難い時期を描きました。

なーんだ、放置効果ですんなりいっちゃったの?という感じですが、
実際はメチャクチャ七段に落ちてました
そんなに落ちるならしなきゃいいじゃん、と思っても、やらずにはいられなかったんです。

あんまりサファリで落ちるものですから、

本当にこれ人間でいけるの?
さすがに無理じゃね??
叩いてても楽しくないし、もうやめようかな~

などなど、負のカタマリの時期もありました。
サファリで落ちるのが分かってて七段を受かる気が始めからないんじゃないか?とか思ったりw
でも辞めずに、まぁ楽しく続けられたのは友人のおかげだったかと思うわけです。
あとライバルさんたちの影響も大きかったです。

その後、奇跡的に4%を残して七段をとったのは物語の中で触れたとおりです。

こういう乗り越える的な経験は多くの人は仕事や勉強や部活とか、そういうものを通じてするのかもしれないですが、自分の場合、大げさではなくビーマニにさせてもらったということです。
なので思い入れも人一倍!

今回、超素人文章で拙く始めたビーマニ生活ですが、ほそぼそ~っと続けていこうと思ってます。
流れ的に、次は七段→八段(これまたGOLD)の頃のことになりそうです


・・・・・・で、最後に。
六段だった自分が七段をとったときに使ったサファリ攻略を。
どうしても七段になりたいと願った人が最後にとった方法ですw
メチャクチャ押すよりかは良いと思います

ざっくり問題の箇所を分けると
「テレテレテッテ地帯 A 」(21 - 27小節)
「テレテレテッテ地帯 B 」(38 - 47小節)
の2つになるのでは?
A で20%台になって、B の手前でたいして回復出来ずに B のどっかで止めを刺されている方、あなたはワタシです。

見ようと思っても見えないので、体に覚えさせます。
かといって頭もよくないので、何小節目はこうで…とか言われても、正直、そんなに要所要所を気にしながら叩けるならとっくに七段(以上)とれてるわ~、と思っていました。

サファリの「テレテレテ(ッテ)」は実は全部これだった!と頭に刷り込みました。
「ザ・サファリ」と呼びます↓
teretere.jpg
「ザ・サファリ」を次のようにして、右手一本で捌きます。
左手は適当に。ただむやみやたらと押さないことが重要です。
サファリ

まとめると、
-----------------------------------------------------------------
一.「テレテレテッテ」は全部同じだと思って、右手は「ザ・サファリ」だけする
一.「テレテレテッテ」の始めの「テ」最後の「テ」だけはタイミングに気をつける
-----------------------------------------------------------------

運指の画像は 運指ジェネレータ@potofuさん とこのを借りてます。
譜面は textage さんのところからです。ありがとうございました
それと1P側のみですみません。自分がそうなもので。

では、ビーマニ生活・弐式につづきます
ビーマニ生活 ~Yoshitaka’s Side~
(とてもどうでもいい後日談)

コウスケが七段になってからというもの、あいつは理想的な進研ゼミ生になった。
ついこの前まではフシギダネのように「ダネダネ~」としか言わなかったのに、今では裏庭の植物が残した種子を見て「種だね」と言う。

ふと、オレ(ヨシタカ)は近くのショッピングモールに出来たポケモンセンターのスタッフに「オレのフシギダネが進研ゼミ生になったんですが、やっぱり宇宙の法則が乱れてますかね?」尋ねに行った事を思い出した。
そのときスタッフは「えっ、それは多分ないと思いますが、バージョンはダイヤモンドですか?それともパールですか?」
と普通に聞き返してきた。せめて「エクスデスはスクウェアのはずなんですが…」くらいの解答を期待していたので、激しくガッカリした。
まだまだ、オレの住みやすい世界は遠い。

ところで、ビーマニだ。オレはいわゆるギガデリ難民になって久しい。
ラスト前で80%くらい残していたってギガシャッターが下りる。
ギガシャッターは八段に新しく用意された新型シャッターだ。
七段は網目の迷彩柄が鮮やかなサバンナシャッターだった。
オレはあれをサバンナマジックと呼んだものだ。
とまあ何はともあれ、オレは八段から未だ抜け出されなくて困り果てている。

ある昼休み、タカシに頼んで嘆きの樹になってもらった。
その屋久杉に勝るとも劣らない偉大な大樹に、オレは身を焦がす程のつらい想いを嘆いた。
「オレ、ギガ、ダメ……」
「その嘆きこそ我が糧也」
「いやぁぁぁーーーーーー」
ちょっとすっきりした。

あぁgigadelic、何て甘美な響きだろう。
オレが八段という不毛の土地で細々と作物を植えている間に、まさかコウスケがサバンナを越えて侵入してきてしまうなんて。
しかもオレの有難いアドバイス( → その3参照)を使わないでいってしまった。
しかし、まだあいつは八段2曲目に巣くうラストサムライに切り落とされているようだ。
[注:当時(GOLD時代)、八段は 雪月花 → 1st Samurai → ⇒Hmix → ギガデリ でした]
運良く渡○謙から逃げ延びたとしても、その次には右矢印の悪魔が「コンチ、コンチ、コンチ、コンチ……」と囁きながら飛び廻っている。
まだギガンテスのところまではしばらく時間がかかるだろう。

だが、あいつはエリートだ。何が起こるか分からない。
そういや、昨日コウスケに教えてもらったオリジナルコースの曲目が1.WAR GAME、2.Dirty of Loudness、3.RESONATE 1794、4.stoicだった。中々渋めの選曲だ。
てっきり全曲ホッシーだと思っていたのに。あいつはこういう所でも何か「選曲エリート」のような印象を与えるのだ。

オレはタカシに分かりやすいように、それら諸々の恐怖を打ち明けた。
「あいつは…ベジータだ…」
すると、タカシは眼鏡のふちを指で押さえながら
「ふん、戦闘力たったの22000ですか。まあサルにしてはやるようですね。しかし私の戦闘力は53万です」
と王道を突っ走った。

このパターンのフリーザ化は思った以上に世間に浸透している。
オレはタカシのドラゴンボールの例えに関する統計をとっているが、フリーザが7割を占めている。
タカシに向かって、たまにバキの親父を演じてみるが、未だ伝わったことがない。
「戦闘」と言うジャンルでは同じはずなのだが、タカシにとってのドラゴンボールはそんなくくりではないらしい。

そこで試しに
「パトラッシュ…僕にはもうギガデリックのムービーに出てくる丸いやつがイカリングに見えてきたよ…あいつはSphereのムービーにも出てくるんだ……」
と言ってみると、タカシは
「おら、イカリングは好きだぞ」
とゴクウになった。どうやらバキよりはフランダースの方がタカシにとってドラゴンボールに近いようだ。
ということはタカシの中ではドラゴンボールは感動のカテゴリなのか。
オレは、この発見に更なる発展の可能性を見出した。
今度、コウスケにも教えてやろう。喜ぶぞ、あいつ。

そこにコウスケがやって来た。
相変わらず隙のない様子だ。
「なぁ、1st Samuraiのタラリラタラリラのところが見えなくてさぁ」
「あれは地力だろ」
タカシが言う。
「マジ?オラ、まだリキが足りねえか」
とコウスケ。さすがだ、瞬時にゴクウシフトを敷いた。

オレも負けてはいられない。オレは
「じゃあ、自分で力が出せないのなら、私がその力を引き出して差し上げましょうか」
とフリーザ口調で語りかけ、コウスケをクリリンに見たて、空中に念力で上げる仕草をした。
コウスケはオレの意図を読んだらしく、オレに操られる真似をして
「な、なんだっ!ゴク――――ゥ!」
と叫んだ。オレはクリリンを念力で爆発させた。するとタカシが
「許さんぞーーーー、フリーザーーーー!」
と言って眠っていた力を爆発させた。タカシは超タカシになった。

こうしてタカシの力が引き出された。オレは頃合いを見て、
「しまったぁーーーーーー!」
と自力を引き出すべき相手を間違えたことを明かした。すると、その枕詞にコウスケが
「飛行石がーーーーーーーー!」
と下の句をつけてくれた。平安時代を感じさせる雅なやり取りだった。
オレたちは互いの健闘をたたえ、ニューオリンズの黒人のテンションで「イィィーーヤッ!」とハイタッチをした。
チャイムが鳴った。掃除の時間だ。裏庭へ行かねば。

裏庭に行く途中、タカシは「JIVE INTO THE NIGHT」の歌詞だと思うが
「チャア、チャア、チャア」
と歌っていた。そのメロディに心地よさを感じながらコウスケに話しかけた。
「おい、コウスケ。ラストサムライの抜け方教えてやろうか?」
「ていうか、お前正直に1st Samuraiって言った方が早いんじゃね?」
「これでも妥協してんだぜ。本当は渡辺、て呼びたいくらいなんだけど流石に遠すぎるし、うちのクラスのリアル渡辺が振り返っても困るだろ。で、どうする?」

「いいよ、また賢者のくだり(→その3参照)で連打って言われたらシャレになんねえし」
「お前、オレをなめきってんな」
「もう同じ階層にいるからな」
コウスケは笑って言った。こいつめ、知らない間に成長しやがって。
オレはまた、タカシに嘆きの樹になってもらって嘆いた。
タカシはホウキを剣に見立てて突っ込んで来ながら
「その嘆きこそ我が糧也」
と言った。正直、3Dで来られると結構怖かったが、やっぱりちょっとすっきりした。
俺は二人に飛びつかれた。ヨシタカとタカシがまるで自分の事のように俺の七段取得を喜んでいる。
ヨシタカなんて泣いている。俺はまさか泣くとは思っていなかったから目をそらすと、そこにはナオキが微笑んでいた。
「おめでとう」
ナオキが言った。その一言を聞いてようやく、七段になった実感が湧いてきた。
リザルト画面の六段が輝き、七段へと変わった。
俺は自分の内から次々と沸き起こる何とも言えない感情にひたっていた。

ゲーセンを出たのは午後六時半だった。ナオキとヨシタカは方向が違うから、そこで分かれた。別れ際、ヨシタカが、
「俺は間もなく七段を出る予定なんでヨロ」
と言った。すぐ抜かしてやるよ、と返事をした。ヨシタカはナオキに
「おいっ、こいつをたたっ斬っちまえ!」
と命じたが、ナオキはヨシタカを斬った。
ヨシタカは「まさか飼い犬に手を咬まれるとは…」とご満悦の様子だった。
二人はチャリに乗って帰っていった。

二人と分かれて、タカシに話しかけた。
「俺、お前が言ってたこと少し分かったよ。なんつうか、もう駄目って思ったとき、諦めずにやるってこと」
「そうか。で、どうだ?」
「うん、まだ何も違っては見えねえ」
「おっかしいな~、お前ヤムチャじゃねえの?」
「はは、そうかもな」

ちょっと進んだところでタカシと別れるとこに来た。
「じゃあまた明日な」
「おぅ、また明日」
タカシを見送って帰り道の河川敷を歩いた。
西の彼方に沈む夕日をふと見やった。俺はそのとき、タカシの言葉を思い出した。

(そうだな、いつも見てた風景が違って見えるんだ。当たり前のものが当たり前じゃなくなったように思えたり、何となく人として一段上がったような感覚なんだよな)

一段上がった感覚って実際一段上がってんじゃねぇか、と思った一方、胸の奥から湧いてくるものを感じた。
そして頑張った自分が恥ずかしかったりしたけど、そんなに悪いもんじゃないなと思った。

最近は調子がいいとき、八段に挑戦している。1st Samuraiのラストでいつも落ちる。
それと☆9がだいぶクリア出来るようになってきた。ヨシタカは俺の動きが気になるようで、やたら頑張っているようだ。
するとヨシタカが俺をライバルをアクティブ登録してきた。
まだまだヨシタカにはスコアで勝てないけど、アクティブ登録されたことがうれしかった。
それにしても課題は山積み。でも今は叩くことが本当に楽しい。

俺のビーマニ生活はまだ始まったばかりだ。(壱式・おわり)
「チャンスだな。放置効果が出てるかもしんないぜ」
「は?」
ナオキのいう“放置効果”ってのは何のことだ?
隣ではギターをサンボマスターのように直角に振り上げたヨシタカが狂喜乱舞している。
「騙されたと思って、七段やってみなよ」
「あ、ああ」
まぁ、やるだけなら構わないから、ナオキの申し出を受け入れた。
どうせ、サファリでガシャーンになるのに、と思った。

1曲目の rainbow rainbow では60%を残した。
二曲目のコンチェは今まで現状維持がやっとだったのに逆に70%に回復した。
俺は少し違和感を覚えた。

(やたら見える気がする…)

隣ではナオキがいつものように微笑んでいる。
三曲目のsmileではそれこそ大爆笑だった。92%を残した。
残すはサファリだけになった。
そのとき、ずっと2p側で静かに見ていたナオキが声をかけてきた。

「いいか、途中で見えなくなったとしてもむやみやたらに押すんじゃない。ちゃんと見ようとするんだ。今なら何かわかるだろ?」
「お、おう」
俺は自分の中に沸き起こる未知の力と、これから挑む広大なサバンナに飲み込まれそうになった。
すると隣から Timepiece Phase II のセッションが流れてきた。この曲が俺は大好きだ。
すると気持ちが落ち着いてくるのを感じた。
「お前ら、ナイス!」

「おう!まかせとけ!」
とヨシタカ。
「余所見はいけませんねぇ、ザーボンさん」
とタカシ。
俺は今4人でプレイしてる気分だった。心強い、本当に心強い奴らだ。

ハイスピードをいつもの3ではなくて3.5に設定した。
何故か今日は速い方が見える気がした。ゲージは92%。でも油断はできない。その事は俺自身が一番よくわかっていた。
始めの数小説はうまくいった。問題のテレテレテッテ地帯だ。
俺はナオキの言葉を思い出した。

(見ろ!俺!!)

やはり、完全には見えない。でも今までとは違う。何となく押せる!
テレテレ波を抜けるとゲージは50%に減っていた。
いつもはここで20%くらいになるんだから俺にしてみれば余りに上出来だ。

中間のスクラッチ&同時押しを難なく切り抜け、あとは最後のテレテレテッテ地帯を残すのみだ。
俺は指の末端神経まで集中し、黒目がこれ以上、大きくならないくらい大きくして挑む。
しかし、やはり苦しい!最後の2つのテレテレテッテを残したとき14%。
でも、俺の中に諦める気持ちはどこにもなかった。あったのは、ただ目の前のシーケンスを叩く本能だけだった。
あと1個!ゲージは8%!俺は全てのことを忘れて目の前の鍵盤と自らの目と指に集中した。そして…!!


隣のセッションが終わった。
ヨシタカとタカシはがっちり握手をして、互いの健闘を讃えた。
そして、こちらを向いて言った。
「どうだ!?」
「きたか!」

「ああ!!やってしまった希ガス!」
俺は僅か4%を残し、ついに7段をとったのだ!!!(つづく)
読んでいただいた方へ

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プロフィール

bmlife

Author:bmlife
beatmania IIDX をこよなく愛する
1プレイヤーです。
ちなみに現在(RA)腕前は九段。
十段は遥か遠く…日々精進。
ここはbeatmania IIDXを題材にした自作の物語をUPしているサイトです。
自分の経験も入っていますが、基本的にはフィクションです。

-----------------------------
主な登場人物
  ~壱式~
・コウスケ(六段)
・ヨシタカ(七段)
・タカシ(八段)
・ナオキ(九段)
  ~弐式~
・宗太(八段)
・山岡さん(九段)
-----------------------------

壱式メンバーはみんな高校生ということで。
弐式からいろんな人が出てくる予定。。。
段位認定を巡るあれやこれやを書いていきます。

GOLDの頃の自分&友人達がモデルになっているので、時間軸がGOLD~TROOPERSになっています。
GOLDの頃の七段は
 1.rainbow rainbow
 2.Concertino in Blue
 3.smile
 4.THE SAFARI
で、八段は
 1.雪月花
 2.1st Samurai
 3.Scripted Connection⇒(H mix)
 4.gigadelic
でした。

参考図書,映画 etc:
beatmania IIDXシリーズ, KONAMI
DrumManiaシリーズ, KONAMI
pop'n musicシリーズ, KONAMI
Winning Elevenシリーズ, KONAMI
DRAGON BALL,(1)-(42) 鳥山明
DRAGON QUEST -ダイの大冒険,(1)-(37) 三条陸,稲田浩司
SLAMDUNK,(1)-(31) 井上雄彦
グラップラー刃牙,(1)-(42) 板垣恵介
ONE PIECE,(1)-+ 尾田栄一郎
天空の城ラピュタ, 宮崎駿
風の谷のナウシカ, 宮崎駿
フランダースの犬, ウィーダ
ドラゴンクエストシリーズ,ENIX
ポケットモンスター, 任天堂
ラストサムライ, トム・クルーズ他
笑点, 日テレ
水戸黄門, TBS

どうぞよろしくお願いします

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